さいたまスーパー・アリーナ単独公演、英国ツアーと、自らの未知に挑み続けた今年。
遂にリリースされたアルバム『still a Sigure virgin?』は、どこまでも突き抜け、収録された9曲すべてが刺激的なロック・ソング。
サウンドは深い。聴き込むほどに増す味わいに時雨サウンドのなんたるかが凝縮されているかのようだ。
そのソリッドにしてダイナミックな弦楽サウンドの核を作ったのは、レコーディング&ライブの現場で、
「今やこの楽器なしで時雨のサウンドは作れない」と本人たちに言わしめたシグネチュア・モデル。
楽器メーカー:シェクターの担当者とTK&345の対談から、時雨弦楽サウンドの内側を明かしてみたい。
■talking model1――
時雨とシェクターとの出会い 〜TK、Schecter virginからユーザーへ〜

「なんとなくS-PTのピックアップ・セレクターをフロントにしてみたんですよ。
そうしたら、“これはちょっとどうしたものか!?”というくらい音のバランスがよくて」(TK)

――シグネチュアの完成から約2年。ライブはもちろん、最新アルバム『still a Sigre virgin?』レコーディングでもこのモデルは大いに活躍したそうですが、そもそも凛として時雨とシェクターとの出会いというのは?

TK:シェクターさんがライブを観に来てくれたんですよね。

シェクター:共通の知人がいて、ライブのお誘いを受けたんです。初めてステージを観たとき…おそらく新宿Motionだったと思うんですけど、興奮してクラッときたというか(笑)。

TK&345:ハハハ(笑)。

シェクター:仕事柄、様々な世代やジャンルの音楽に触れて、日々感性を磨いているつもりなんですが、TKのギターを聴いて、背筋に寒気を覚えたほどでしたから(笑)。まず上手い。加えて、オリジナリティーが高いと。にもかかわらず、メンバーの年齢が若いという(笑)。

TK:もう4年くらい前になるかもしれませんね。

――345さんに先駆けて、まずTKがシェクター製ギターを使い始めることになるわけですけど、お2人は当時、シェクターというメーカーにどのようなブランド・イメージを持っていました?

345:私は名前を聞いたことはあったんですけど、実は、あんまり知らなかったんです(笑)。

TK:僕は、玄人向けのブランドっていう印象が何となくありましたね。その一方で、“速弾きブランド”っていうか(笑)。屈強な、ハムバッカー+シングル・コイル+ハムバッカーのピックアップを搭載したギター、みたいな(笑)。

――いわゆるマッチョでタトゥーなギタリスト御用達のメーカーみたいな(笑)?

TK:そっち系の外タレがストラップ短めで速弾きして、ソロ後半にヴィブラートでアームみたいな、…そういう妄想が頭の中にありました(笑)。

――ある側面では、間違いではないですよね(笑)?

シェクター:実際、シェクター製品を使ってもらっているモニターには、そういうギタリストも多いからね(笑)。ただ、もともとはデタッチャブル・ギターのリプレイスメント・パーツを製作していたメーカーというところから規模を広げていったんです。

TK:それは後になってから知ったので、テレキャス・タイプがあるということも知らなかったんですよ。最初にシェクターの工房へうかがったときに「ピックアップにちょっとパワーがあるけど、テレキャス・タイプの製品もあるから使ってみて」と、木目のS-PT(※製品の詳しいスペックはこちら)を貸してもらったんです。


SCHECTER S-PT TK CUSTOM


――弾いてみて、どんな感想を持ちました?

TK:それまで使っていたテレキャスターとは明らかに音色や弾き心地が違いましたね。たとえば、ネックの処理が凄く良いから弾きやすいし、重量は軽いのに音が太く、サステインも凄く伸びるなっていう印象があったのを覚えています。

――S-PTをTK流にカスタマイズしていくわけですが、後に登場するシグネチュアには、アッシュ・ボディー材やピックアップにモンスタートーン(※詳しくはこちら)を搭載するなど、このモデルのスペックを反映させていますよね。実際にはどのようなカスタマイズを?


SCHECTER MONSTER TONE PICK UP

TK:僕はやっぱりシングル・コイルのギターにずっと慣れていたので、モンスター・トーンって自分に合うのかな?って、なんとなくセレクターをフロントにしてみたんですよ。そうしたら、“これはちょっとどうしたものか!?”っていうくらい凄くバランスがよくて(笑)。ただ、リアの音にだけは、パワーがあり過ぎてあまり慣れなかったんです。で、リアをセイモア・ダンカン製のスタンダードなピックアップ(STL-I)に替えてもらったりして、ブラッシュアップしていった感じですね。

シェクター:ピックアップ等のハードウェアは、S-PTをカスタマイズしていくことで、見えた部分も多かったかもしれないですね。

TK:S-PTはローが凄く出るので、今もレコーディングで使っているんですよ。ただ、僕の感覚からするとネックがちょっと薄いというか、細いというか。ボディーも軽かったんですね。なので、音ではなくてフィット感の問題だから、S-PTをカスタマイズするより、重量的にも慣れているもともと使っていたテレキャスのボディーに、それこそシェクターのリプレイスメント・パーツをはめていくようなカタチでギターを作ってみたいと。

シェクター:いきなりオリジナルを作るよりも、TKの好みをいろいろと試行錯誤したほうがいい時期だったんです。

 

 
 



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