楽器フェア2日目は地獄カルテッドの一員としてイベント(※ヴォーカル:NOV+ベース:MASAKIのトリオ編成)を行った小林信一氏。


楽器フェア3日目となる本日は、ソロでのトーク&デモンストレーションを開催する。
7弦ギター奏者の第一人者として変幻自在な超絶テクを誇るギタリストであり、自身の著書“地獄シリーズ(ギター教則DVD本)”が、日本はもとより韓国でも異例のヒットを記録している現在最も注目度の高いギタリストの1人。
また、自身のシグネチュア・モデル:AC-S6とAC-S7をリリースしているシェクターのモニター・アーティストでもある。

 「僕が使っているギターはシェクター(SCHECTER)製なんですけど、よくスペルを間違われるんですね(笑)。今日はまず、“SCH”というスペルの出だしだけでも覚えて帰ってもらおうと思います(笑)」という、小粋なギャグからスタートして会場を温めるところは、さすがのセミナー巧者。

挨拶代わりの『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』(2004年)からのナンバーは、6本弦スウィープやマシンガン・ピッキングなどの超絶フレーズを満載。6弦ギター:AC-S6のトーンのヌケは素晴らしく、一音一音の音の粒立ちの良さが速弾きをスリリングに際立たせていた。

 続いて、10年以上7弦ギターを使用している小林氏が“7弦ギターの星”と呼ばれるようになるまでのエピソードを披露。'99年に開催された楽器フェアへデモ演奏の出演依頼を受けて、本格的に練習するようになり、弾いていくうちにハマっていったということだが、それ以前、一番最初に7弦ギターに触ったときは、「弦が1本増えるし、そのためにネックの幅も広がるじゃないですか…これはムリだなって、すぐにケースにしまっちゃったのを思い出します(笑)。でも、もう10年以上弾いてますからね。相性が良かったんでしょう。7弦ギターの魅力って、7弦開放のB音から出る重低音の一言で語られがちなんですけど、僕の考えはちょっと違うんです」と独自の理論を展開。

その魅力とは、「7弦開放のB音を6弦ギターで出すためには、6弦開放のE音から、さらに2音半チューニングを下げなければならない。でも、ギターは何十年という歴史の中で、例えば3弦の5フレットはCで一番良い音が鳴るように設計されているんです。だから、ダウン・チューニングはギター本来のトーンを損ねている気がしてならない。レギュラー・チューニングでB音まで出せる7弦ギターは、そのトーン自体が優れていると思うんです」という話に会場全体が大きく頷いていた。

それを実証するかのような7弦ならではのスケールを活かしたスウィープや重低音リフ、ワウ奏法を満載したデモ演奏を披露。テンション感に溢れて伸びやかなギター本来の鳴り。シグネチュア・モデル:AC-S7からは小林氏の理論通りのサウンドがはじき出されていた。

「6弦と同じスケール・ポジションもプラス1弦分の広がりがあるので、弾けるフレーズが広がるんです。その分のアイディアも増していきますよね。だから、7弦ギターは日本を救うと思ってます。楽器屋さんでシェクター製7弦ギターを手にとってレジに持っていくだけで、幸せな人生が開けると思います(笑)。努力はいらないですよ」とのこと。

 シェクターはこの楽器フェアで数種類の新製品を発表している。前日に発表されたホロウ・ボディのギターもその1つだが、2010年リミテッド・エディションとして、限定各10本受注生産のプレミアムEXが2機種リリースされる。そのうちの1本、EX-5B-CTM-FRT-FM/E LE 2010を小林氏が試奏インプレッション。ボディはマホガニー・バックで極上の5Aキルテッド・メイプル・トップ、5Aのフレイム・メイプル・ネックにエボニー指板という、最高の素材が生む最高のルックス&トーンに小林氏も「高級感のあるルックスに加えて、コントロールも多機能だから、サウンドも多彩ですね。イイ仕事してます(笑)」と太鼓判を押した。

 セミナーは、ギター教則DVD本の2作目となる『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ -愛と昇天のテクニック強化編-』(2005年)から「地蔵より愛を込めて」、MI JAPAN特別講師ならではのスウィープの弾き方のコツ講座、ギター教則DVD本の4作目となる『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ -暴走するクラシック名曲編-』(2007年)から「地蔵の輪廻」など、実にテクニカルな演奏やタメになる奏法講座を披露。

最後に、「2年前から日本全国ギタリスト化計画を実行中! 携帯所有台数をギター所有台数が超えるように頑張る」という小林氏は、ギター教則DVD本の5作目となる『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ -攻略せよ!ゲーム・ミュージック編-』(2008年)から「ロックマン2 Dr.ワイリーの謎」を熱演してトーク&デモンストレーションを終了した。

経験と実績、そして軽快なトークを満載した約1時間。
その音数通りに様々な驚愕テクニックや笑いまでもが詰め込まれた時間は実に凝縮されたものだった。


 




▲右から、小林氏のメイン:AC-S6のハイコストパフォーマンス・モデル:ZK-1。「この廉価版は、ほんとに良くできていると思います。あんまり褒めすぎるとAC-S6が売れなくなっちゃうので控えますが(笑)、クオリティは保証します」。

中央は7弦のオリジナル・モデル。「AC-S7が完成する前に使用していたオリジナル・モデルですね。市販はしていないんですが、このギターがあって、ラオウと呼んでいるAC-S7が生まれたんです」とのこと。

一番左は小林氏が試奏したPremium EXのEX-5B-CTM-FRT-FM/E LE 2010。



▲演奏中のギターは、7弦のシグネチュア・モデル:AC-S7。
ボディ材はアルダー、ネック材はメイプルでホンジュラス・ローズウッド指板を採用。
ピックアップには7弦用EMG SH-1とTB-14を搭載している。

左にセッティングされている6弦ギターはメインのシグネチュア・モデル:AC-S6。
ボディ材は4Aのキルテッド・メイプル・トップ+アッシュ・バック、ネック材はメイプルでエボニー指板を採用。
ピックアップにはEMG SHR-1nとTB-14を搭載している。コントロールは1vol、ピックアップ・セレクターのみ。



▲国産最高峰として名高いEXシリーズのスペックに、さらに厳選された木材を使用。
ルックス、サウンド、プレイアビリティの全てを兼ね備えたプレミアムなEX。
ボディ材は5Aキルテッド・メイプル・トップ+マホガニー・バック、ネック材は5Aフレイム・メイプルでエボニー指板を採用。
ピックアップにはスーパー・ロックIIIとモンスタートーンを搭載している。
左がPremium EXのEX-5B-CTM-FRT-FM/E LE 2010。右がPremium EXのEX-5-CTM-FRT-FM/E LE 2010。
 

【小林信一インタビュー@楽器フェア会場】

さすがの話術と演奏力で会場をHOTにした小林氏が語るシェクター・ギター!

■「1人に1本シェクター・ギターですね、分かりました(笑)」


――まずは本日のトーク&デモンストレーションの感想からうかがいます。普段のセミナー通り、軽快なトークと超絶テク満載なデモンストレーションが中心でしたね。

小林:さっきスウィープ講座をやったように、セミナーのときは、各曲の間にギターの奏法講座とか入れたりしてるんです。今日は、その部分を省きつつ演奏メインで構成しましたね。

――まさに熱演という感じだったと思います。昨日も地獄カルテッドのステージで来場なさってましたが、楽器フェア会場はご覧になりました?

小林:昨日見ました。出展数が減った感じはありますけど、来ている人達の熱気は失われていないですよね。さっきステージで話をしたように、今、日本全国総ギタリスト化計画を進めてますので、もっとギタリスト人口を増やすために頑張りたいと思いましたね。

――その計画の1つ、地獄シリーズが好評を博していますね。シェクターも及ばずながらギタリストの人口増加に御協力できればと。

小林:1人に1本シェクター・ギターですね、分かりました(笑)。今後は韓国でもセミナーを行う予定がありますので、日本を飛び出して、海外でもギタリスト化計画&シェクター計画を進めます。

――ステージでは、小林さんのシグネチュア・モデルをはじめとしたシェクター製オリジナル・モデルの紹介もありましたが、今日初めて試奏していただいたPremium EXのEX-5B-CTM-FRT-FM/E LE 2010のインプレッションを。

小林:マホガニー・バックのギターって実は初めて弾いたんですけど、凄くバランスが良いなと思いましたね。ボディの鳴りがヘヴィにズンズンくる感じ。それに対して、エボニー指板のパリッとしたトーンがミックスされるような。

――5ウェイのセレクターやタップ・スイッチなど多彩なコントロールも試されてましたが。

小林:これくらい音作りの選択肢が広がるのもいいなと思いました。今後の自分のモデルにも搭載してみたいなと。通常だったら、あの多彩な音の1つ1つを出すために、ギターを3〜4本使用するわけじゃないですか。それが1本で全てがまかなえるというのは魅力ですね。あと、昨日発表されていた新製品の箱ギターも楽屋裏でこっそり弾いてみたんですけど(笑)、良かったですね。僕もアダルト・ユーザーですから、今後使ってみたいですね(笑)。

――アダルトも魅了する小林さんのシグネチュア・モデル:AC-S6のお気に入りポイントは?

小林:すべてです(笑)。シェクターさんとはコラボしながらこのシグネチュア・モデルを作ってもらったんですけど、周りの辛口ギタリストに弾いてもらったり、音を聴いてもらっても、みんな「イイね!」って絶賛してくれますから。今、これ以上に欲しいギターってないんですよ。恐いくらいです(笑)。

――ルックス、スペック、そしてサウンドに小林さんの好みが反映されているわけですね。

小林:そうですね、色合いも好きですね。スペックは、ボディがアッシュ・バックにメイプル・トップ、指板はエボニー。ピックアップがセイモア・ダンカン製のSHR-1とTB-14ですね。パワーがあって音のヌケもいいという。6弦のAC-S6をケンシロウ、7弦のAC-S7をラオウと呼んでいるんですが、もうすぐトキも完成する予定ですので、期待していてください(笑)。

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