楽器フェアの最終日、シェクター・ブース最後のイベントは、K-A-Z氏のデモンストレーション。

2009年はDETROXのギタリスト&プロデューサーとしての活動の他、黒夢の復活&解散ライヴにサポート・ギタリストとして参加、さらにはMOTOKATSU(THE MAD CAPSULE MARKETS)、JESSE(RIZE)、MOTOAKI(元SOBUT)、ZEEBRA等と結成したプロジェクト:カイキゲッショクの始動などなど、超多忙を極めたギタリストの登場だ。

今や小林信一氏と双璧を成す7弦ギターの第一人者であるK-A-Z氏のデモンストレーションは、7弦ギターの魅力や使用方法に関するトークからスタート。

「その魅力は6弦ギターにはない7弦重低音の気持ち良さ、これに尽きますね。リフやソロでは重低音の歯切れの良さを考えて作ることが多いんです。たとえば短音でも和音でも、譜割の中で敢えて休符を入れるアプローチ…つまりSTOP&GOとなるポイントを作ると、重低音がより凶暴に響くと思います」。

 続いて、楽器フェアで初御披露目されたフライングVシェイプの7弦ギター(リミテッド・モデル)を試奏インプレッション。Vシェイプのギターは、高校時代にルックスで購入したというランディV以来とのこと。Vの片側を小股に挟んで弾く姿に、高校時代にコピーしていたというマイケル・シェンカーの影響も感じることができる。フロントおよびリアのヴォリューム・ノブには、それぞれのタップ・スイッチが搭載されているので、シングル・コイル・サウンドにも対応。

「他のアーティストとかのレコーディングでは、シングルっぽい音が欲しいってリクエストされることもあるから、タップ機能があるといいね。シングル・コイルのローはトーンがシャリっとしてるっていうか…オレは好み的にはシングルの方がいいのかも知れない(笑)。今度、シグネチュア・モデルにもタップ機能を付けてください(笑)」。

 ヴァリエーション豊富なフライングVタイプのトーン・コントロールをひとしきり満喫したK-A-Z氏。
その多彩なサウンド変化がギター・プレイを引き出すかのように、様々なフレーズが披露される。
「気に入りました!」という一言のあと、いよいよこれまた楽器フェア初御披露目となる8弦ギターの登場。

そのエグいフォルムにK-A-Z氏も思わず爆笑。「F#だよね」と8弦開放のチューニングを確認してからはじき出された8弦サウンドは、極悪な雰囲気を携えた超重低音リフ。
あまりのロー・サウンドにステージに地鳴りが発生しているかのようだった。

「恐ろしいですね、コレ(笑)。もうワケが分からない未体験サウンドです。アンプのセッティングも8弦用に変えないと、ぶっ飛ばされますよ、ベーシストに(笑)。ただ、いろいろなことが出来そうです…今はまだフレーズをまとめるのが大変ですけど(笑)。楽しいですね」と、足元のペダル・エフェクターも駆使して、そのサウンドに似合う新フレーズを次々と構築していくあたりのギター・センスは、さすが。

 最後は、K-A-Z氏のメイン・ギターであるシェクター製AD-C-7を使用してのデモンストレーション。
26 1/2インチのスーパー・ロング・スケールもK-A-Z氏の大きな身体にはジャスト・フィットといった印象。
フロイド・ローズやワーミーを駆使した音程変化によるフレーズ、トーン・コントロールやワウを巧みに使った音色変化によるフレーズなど、ダークな気配を纏った極悪サウンドに様々な手法で彩りを加える。

また、テクニカルなギタリストとして、サウンドを司るプロデューサーとして、その両方向からのアプローチが可能なプレイ・スタイルは、K-A-Z氏ならではのものだと言える。
轟音極悪なサウンド・スタイルや風貌に騙されてはいけない。
彼の持つセンスは、実にセンシティヴでアイディア豊富。約30分間という短い時間ながら、そこに詰め込まれたサウンド情報量は膨大で、デモ演奏に固唾を飲んで聴き入っていた観客の姿が印象的だった。

▲左から、8弦ギター:ヘルレイザーC-8リミテッド。アメリカでは発売と同時に即完売されているモデル。ボディー材はキルテッド・メイプル・トップ+マホガニー・バック、ネックは3ピース・マホガニー+ローズ指板。ピックアップはEMG製。中央はVシェイプの7弦ギター:DCGLスペシャル・ランV-7。ボディー材はヴィンテージ・イエロー・コリーナ、ネックは3ピース・マホガニー+ローズ指板。ピックアップはEMG製。一番右はK-A-Z氏のメイン・ギター:AD-C-7




 

【K-A-Zインタビュー@楽器フェア会場】

驚異の日本未発表モデルの性能に驚きと可能性を感じた極悪ギタリスト!

「このへんでオレがパイオニアになっておきますか(笑)!」

 

――まずは本日の感想からうかがいます。今回のようなデモンストレーションは、今まであまり行ったことがないとおっしゃってましたが?

K-A-Z:そう、なかなか貴重な体験をしましたね。オケなし、全アドリブで臨んだところも、オレっぽかったでしょ(笑)。

――それに加えて、7弦のフライングVシェイプとか、8弦ギターという、シェクターの新製品を初めてその場で弾いたわけですから、アドリブ中のアドリブだったわけで。オケを用意しなかったからこそ、新製品という素材の旨味を引き出しつつ、そのサウンドからインスパイアされたインプロ・プレイの数々を聴くことができたのではないかと思ったのですが?

K-A-Z:ハハハ、そういうことにしておこうか(笑)。でも、ホントに両方とも興味深いギターだったな。特にVシェイプのタップ機能は良かった。7弦のシングル・コイルは今まで使ったことがなかったんだけど、ロー・コードを弾くときは、より音が硬い方がいいんだということが改めて分かったね。低音が膨らまないから、速いフレーズを弾いても音像がはっきりして音を捉えやすい。相当気に入りましたね。自分のギターにもタップ機能はすぐに採り入れたいし、世の中の7弦弾きに大プッシュだと思う。

――シャープに響かせたい重低音と、ブーストさせたい重低音の使い分けができるという。

K-A-Z:これまでは膨張しがちなローの周波数帯をアンプでカットすることしかできなかったんだけど、それが手元でコントロールできるわけだから、音作りの幅が一気に広がるだろうね。

――7弦のVシェイプというルックスはいかがでした? マイケル・シェンカーのフレーズも思わず飛び出してましたが?

K-A-Z:シェンカー、弾きたくなっちゃいました(笑)。ボディーのシルエット自体からしてロックという感じだから、今後、Vシェイプとか持ってみても面白いかもしれないと思いました。

――一方で、8弦。これは完全に初挑戦だったんですよね?

K-A-Z:かなり面食らいましたよ。まずプレイ的には7弦開放がBで、8弦開放はF#のチューニングだから、コードの押さえ方がレギュラー・チューニングとは違う…って考えながらの、あの重低音でしょ(笑)。もうボワッと音圧がハンパじゃないんですよ。だからコレこそ音をカリカリにして弾いてみるのがいいかなと。

――6弦から7弦に持ち替えたときには、さほど違和感がなかったとおっしゃってましたが、8弦は別物という感じですか?

K-A-Z:音域的にも、コード・フォーム的にも多少の違和感はあったけど、それは単純に慣れだと思いますよ。8弦は凄まじい可能性を秘めているんじゃないかと弾いていて感じたから。7弦を初めて持った20年くらい前のように、白紙の状態で8弦に臨んだら、そこから新たなプレイを生み出せるんじゃないかなと。突き詰めてみたいですね。

――幾つかのメーカーが同時期に8弦を発表しているんですが、まだ正式に日本には入ってきてはいないそうなんですよ。

K-A-Z:じゃ、このへんでオレがパイオニアになっておきますか(笑)。あと、フロイド・ローズを載せて弾いてみたいとも思ったんだよね。今、メインで使っているAD-C-7はオリジナルのフロイド・ローズを搭載しているんだけど、音のヌケが圧倒的に良いんですよ。ヘルレイザーとかダミアンの弦裏通しの7弦と比較しても、決して負けない鳴りの良さを持ってるくらいだから。

――では最後に、本日は他のブースとかも見に行かれたりはしましたか?

K-A-Z:会場入りして、直接シェクターのブースに来たから、これから観に行きたいと思ってるんだよね。久しぶりに島くん(Concerto Moon)とか、Syu(Galneryus)に会ったりしたんだけど、そういう舞台裏もフェスとして楽しいよね。いろんなレアなステージも観られるしさ。オケのないステージとかね(笑)。

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