刺激的なエレクトロニカが流れると同時に、オーディエンスは衝動を抑えられず、最前へと押し寄せていった。鳴り響く曲は「If you want to wake up?」。2009年に発表した1作目の1曲目をSE代わりにCROSSFAITHがステージに登場した。すでにカオス状態になったフロアを目の前に、やる気充分なメンバー。次の瞬間、アルバムの流れと同様に「Mirror」で攻撃を開始した。尖りまくったギター・リフに、どこまでもテンションを切らさない迫力のデス・ヴォイス、マシーナリーとも呼べるリズム・セクション。生粋のメタルコアだが、このバンドをより個性的にしているのは鍵盤やサウンド・エフェクトを担当するメンバーがいることだ。トランス・ミュージックにも通じるシーケンスも採り入れ、ねじれていくような空間を曲に作り出したり、曲展開を刺激的に彩ったりする。またギター・リフやオブリ・フレーズも、単なる攻め一辺倒ではなく、鍵盤と絡み合いながらドラマティックな場面も作り出す。メタルコアの最有力若手バンド(メンバー平均年齢20.5歳)として存在は知られているが、オリジナリティーある曲と音は、すでにそのフィールドをブッ壊している。またこのライヴの前日(4月28日)に、2作目のアルバム『The Dream, The Space』をリリースしたばかり、もちろんそこからのナンバーもさく裂。モッシュやらダイヴなど、すさまじいエネルギーがフロアで渦巻いた。
FACT
「久しぶりだなー、祭りの準備はいいか。祭りだ、祭りだ!」
北島三郎のコマ劇場公演を連想させるセリフで登場したのはFACT。セリフを叫んだのはもちろん煽り番長のEiji。CROSSFAITHの作った熱さをさらに上昇させるように、すっかり浸透したメジャー2作目『In the blink of an eye』、そしてバンドの生サウンドにこだわった最新ミニ・アルバム『Eat Your Words』からのナンバーを、5人は次々に叩きつけていった。ただ、いつもと大きく違ったのは、ブレイクダウンのたびにHiroがコール&レスポンスを起こすように叫んだり、ストイックなTakahiroやKazukiもフロントに出て来て煽ってきたりしたこと。とにかくコミュニケーションする場面が目立った。この後のMCで分かったが、3月11日の大地震のとき、茨城在住の3人は生きた心地がしなかったそうで、Hiroの自宅の50m手前まで津波が迫っていたとのことだ。このステージは震災後、初のライヴだったこともあり、生きていることやバンドで音楽するうれしさ、オーディエンスとガチでやり合う喜びを、ひたすら実感していたという。そういった気持ちの高ぶりは、一音一音を、言葉のひとつずつを、エモーショナルにしていくばかり。メタルもコアもエレクトロニカもテクノも混ざった最新型のミクスチャー・サウンドのFACT。しかし、この日はやけに人間FACT、純粋FACTといった面も強く混ざり込み、情熱的な音とステージにもなった。
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