2008年4月19日、Concerto Moonの記念すべき10周年記念ツアーの東京ファイナル公演。
渋谷BOXXは通常のConcerto Moonのライヴとはまた異なる、独特の熱気に包まれていた。
というのも、〜An Evening With Fragments Of The Moon〜と題されたこのツアーでは、デビュー10周年記念ということで、1stALBUM「Frandments Of The Moon」を現メンバーで全曲完全再現!1st以外の楽曲も3rdALBUMまでに限定!という、初期からのファンにはたまらない、超プレミアムな内容がアナウンスされていたからである。

仄暗いステージ上にはMarshall Vintage Modernの紫のLEDが煌煌と輝き、張りつめた緊張感が会場を支配していた。

定刻を過ぎ、ついにメンバーが登場するとフロアからの熱狂的な声援に包まれ、"DREAM CHASER"からショウがスタート!
この曲は初期の定番オープニング曲で、のっけからファンにはたまらないプレゼントである。
はやくもフロアからは拳が突き上がりまくりで大合唱!
そして"INSIDE STORY","VICTIM OF DESIRE"と挨拶代わりに立て続けに3連発をぶちかましてくれた。

島のSCHECTER AC-NS/SIG-IV(ホワイトローズ指板)が吠えまくる!

ローズ指板ならではの甘いローミッドの効いたファットなサウンドはこれだけの爆音なのに聞いていて非常に気持ちがいい。
「ハードロックギターかくあるべし!」という王道中の王道!まさに絶品サウンドである。
SCHECTER CHICKEN SHACKピックアップとMarshall Vintage Modernとの相性も抜群で、フレーズによってフロントとリアを頻繁に切り替え、絶妙のピッキングで表情をつけながら流麗なメロディを紡いでゆく。

今夜も素晴らしいトーンを聞かせてくれたAC-NS/SIG-IV。
ステージ袖のギターラック。
手前よりドロップDメインのAC-NS/SIG-V。
メインのAC-NS/SIG PROTOTYPE。
ドロップDのサブAC-NS/SIG-III。
ノーマルのサブAC-NS/SIG-II。

島を支える現メンバーもメタルシーン屈指の手練ぞろいだ。
ドラムの長田は安定感のある図太いドラムで、バンドを強力に後ろからプッシュする。その小柄な体からは想像出来ないほど強烈なキックが印象的だ。
ベースの木本は豊富なキャリアを持つヴェテランで、SCHECTERのIDベースのシースルーブルーを手に、しなやかな高速指弾きで安定した16分ルート弾きから多彩なオブリガート、さらには島との複雑な高速ユニゾンまで随所でメリハリの効いたプレイを聞かせる。
キーボードの小池はシンセとハモンドを自在に駆使し、楽曲に多彩な彩りを加えるアンサンブルの影の要である。
島のソロのバッキングを支えていたかと思うと、ソロでは一転攻撃的なシンセサウンドで島と互角に渡り合う。
しかしあくまで楽曲重視の丁寧なプレイが光るプレイヤーだ。
そして特筆すべきはボーカルの井上である。
日本人離れした太いハイトーンもさることながら、表情豊かに楽曲の世界観を伝えるボーカリストで、魂を絞り出すように歌うパワーシンガーだ。堂々たるステージングで客席をアオリまくる!

存在感ある長田のドラムセット。
キーボードは3段積み。
真ん中のハモンドはジャズコーから出力される。
   
木本はSCHECTER AMERICAN SERIESのIDという
現在は生産完了しているモデルを愛用している。
マイキングを見ていただければおわかりの通り、
右下のキャビをメインに使用。複数のマイクで
キャビの鳴りを余すところなくPAへ送っている。











これだけの強力なバンドサウンドの中でも、島のギターは埋もれることなくバッキングからソロまで非常に抜けが良い。
ギターの音作りでヌケが悪くて悩んでいる方は、ぜひこの音を生で聞くべきである。

MCをはさみ、荘厳なパイプオルガンのSEからいよいよ今夜の主旨である”現メンバーでの1stアルバム「Frandments Of The Moon」完全再現”へと突入してゆく!
"ALONE IN PARADISE"はまさにアルバムのオープニング曲にふさわしいスピードナンバーで、思わずコピーに挑戦してみたくなるフックの効いたリフが印象的。メロディアスな強いサビでがっちり掴みながら中間部で転調してギターソロ、キーボードソロ、さらに展開してソロへという3段構成が見事に炸裂する初期を代表する名曲だ。
そしてアルバム通り2曲目の"RUN TO THE SKY"へとなだれこむ!キャッチーなサビのコーラスワークも抜群である。
特筆すべきはギターソロの後半部分で、島はトレモロバーを駆使したクリーミーなソロを披露。速弾きばかりが注目されがちだが、このような色気は一朝一夕で出せるものではない。
そして井上&島のコーラスから始まる"CRY FOR FREEDOM"へ。
CONCERTO MOONは島を中心にコーラスワークもかなりがっちりおり、全く隙がない。
この曲では島のフロントピックアップを使ったブルージーなソロを堪能させてもらった。

ここで島は最新ギターである黒にメイプル指板のモデルに持ち替え、"HOLY CHILD"へ。
メインのローズ指板に比べてこの黒はメイプル指板なのでハイエンドに伸びのある音が特徴だ。
基本的にアンプのセッティングは同じなので、ギター本来のトーンニュアンスの違いをそのまま楽しむことができる。
このバラードでは井上の表現力の高さがひときわ輝いていた。
島はワウを使って情感たっぷりなソロを披露し、ボリュームを絞ってのクランチーなソロからドラマチックな展開で
"HOLD ON(TO FEELING)"へなだれこんだ!
会場は一気に「オイオイ!」の大合唱!ヘドバンの嵐である!

ここで島は再びメインギターに持ち替え、"MIDWINTER NIGHT"がスタート。
この激へヴィーシャッフルチューンではギターとベースの超絶ユニゾンなど熱いプレイが満載だった。
そして"OVER THE CENTURY"へ。
広大な世界観を持つこの大曲には中間部で激プログレッシブな迷宮が用意されている。キーボードとギターがソロを繰り返しながら怒濤の展開を見せ、時にブルージーに、時にフラッシーに変幻自在の音世界を堪能させてもらった。

続いて島のインスピレーションギターソロが始まった。
4弦Dをこれでもか!というほどしばき倒し、会場中を沸かせるホットでフラッシーなプレイを思うままぶっ放してくれた後、おもむろに"TAKE YOU TO THE MOON"のイントロリフを弾き始めるとフロアは大歓声とともにヘドバンの渦に巻き込まれた!
ソロでの圧巻の光速フルピッキングから情熱的なパッセージへと続き、ほとばしるような叙情のメロディが会場を包む。小池の流れるようなキーボードソロがそれに続き楽曲はさらにクライマックスへと上昇してゆく!
圧巻のド迫力で締めくくられた。








続くMCで井上が「現メンバーによる1stアルバム完全再現、楽しんでいただけましたか?」と問いかけると、フロアからは超大熱狂を持って迎えられた。
それは現メンバーがこの10年間にひとつのケジメをつけて、新たなる一歩を踏み出した瞬間であったに違いない。

そして島はAC-NS/SIG-V(ナチュラルメイプル指板)に持ち替えた。
このギターはドロップDチューニングとなっている。
曲は、「THE LAST BETTING」、そして「FROM FATHER TO SON」とこれも怒濤の初期名曲ラッシュ!!
ドロップDならではのヘヴィなリフが炸裂!!
そして本編は"CHANGE MY HEART"で大ヘドバン大会で圧巻の盛り上がりで締めくくられた。

アンコールでは"SURRENDER"、"UNSTILL NIGHT"といった懐かしい曲も飛び出し、さらにはなんと
「1stから3rdまでのセットリストって言ってたけど・・・ひとつだけ、こういう嘘はついてもいいかな?」ということで、先日レコーディングが終了したばかりという新曲のプレゼントが!
この新曲が、相当の破壊力を持っていた。
芯の部分は間違いなくCONCERTO MOONそのものなのであるが、今日これまでセットリストで披露された過去の楽曲と比べると良い意味で全く違う空気感を持っていた。夏に発売される予定というNEW ALBUMの完成度を窺い知るには十分のインパクトとクオリティを持っており、フロアからも大歓迎を持って受け入れられていた。
そして記念すべき今夜のラストは「ひさしくやってなかった曲で・・・」ということで"TIME TO DIE"!!

今夜のショウを一言で表現するならば、まさにストロングスタイル!!
純度100%の正真正銘ヘヴィーメタルをぶちかましてくれた。
そしてデビューからこれまでなんら変わることのない一本筋の通った徹頭徹尾ヘヴィメタルバンドであることを身を以て証明してみせた夜となった。
10周年という節目の年。このメンバーで1stALBUMを完全再現するという今夜の主旨こそが、島紀史の現在のメンバーに対する絶大なる信頼を何よりも物語っていた。そしてそれは長年応援してくれているファンへの最大のプレゼントとなったに違いない。
夏に発売予定というNEW ALBUMが今から待ちきれない!

CONCERTO MOONの怒濤の10周年はまだまだ始まったばかりである。
ぜひ「本物」のサウンドを、ライヴ会場で体感していただきたい。

 

 


島愛用のSCHECTER製オリジナルピック。




スイッチングシステムにより音ヤセを最小限に防いでいる。
基本的にはSCHECTERギターからVOXワウと32VBOOSTERを通ってアンプへ入るという非常にシンプルなセッティングだ。
エフェクトはRolandのヴィンテージテープエコーをの代わりにRoland RE-20が導入されている























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取材・文:SCHECTER JAPAN




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